水島 新司さん引退
2020年12月1日、同日付で63年間の漫画家生活から引退することを発表されました。水島さんの漫画絵言えば、「ドカベン」「大甲子園」「男ドアホウ甲子園」「あぶさん」「野球狂の詩」などを読ませていただきました。
沢山印象的な場面がありますが、その中でも、私が印象に残っているのは、大甲子園に掲載されている神奈川県大会決勝の明訓高校VS白新高校の四回裏のシーンです。
不知火のボールを、岩鬼が打ち、この打球をレフト白山選手(シロ)がフェンスを駆け上がってこれをキャッチするも肩から落ちます。この時、シロは、右肩を粉砕骨折します。この時、例え勝っても甲子園でプレーできないとわかっていながらも、「不知火さん」「甲子園へ行ってください」と伝え、救急車で運ばれて行きます。
不知火は、このシーンの後、試合前には「勝っても甲子園切符はくれてやる」と言っておりましたが、「シロ行くともおまえのこのプレーのためにも必ず行くぞ」。という心境に変わりました。プライドを捨て、シロとの甲子園に行くという約束を守るために、山田をストレートだけでなく、超スローボールを使い、抑えにかかりました。
残念ながら、最後は、”山田と勝負しろ“ナインから言葉を受け山田に、サヨナラ打を打たれますが、感動の試合でした。
また、試合を観戦していた、メッツの五利監督が、不知火が“甲子園に行ったらもっと目だって競争が激しくなるわい”という大人の事情も描写されているところも、素晴らしいなと思いました。
引退されるのは、残念ですが、素晴らしい漫画家だったと思います。
舘林